マネジメントとは何か?マネージャーに求められる4つの役割

「マネジメント」とは何か?について、しっかりと理解できている人は多くありません。今回は特にマネージャー層の方が理解しておくべきマネジメントの定義、目的や役割についてお伝えします。

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マネジメントとは何か?

マネジメントの定義

「マネジメント」の定義は本当に様々ですが、一般的な定義としては、著名な経営学者であるピーター・ドラッカーが刊行した「マネジメント」から生まれたとされ、その中でドラッカーは、「マネジメント」および「マネージャー」について、以下のように定義しています。

  • マネジメント:組織・チームが成果を上げるための道具・機能
  • マネージャー:組織・チームの成果に責任を持つ者

 マネージャーと呼ばれる方々は、必ず組織・チームを率いています。そしてそこには、果たすべき役割(目標)とアセット(ヒト・モノ・カネ)が存在します。

要するに、マネジメントは、「成果に責任を持つ『マネージャー』が、与えられたアセットを効果的・効率的に活用して、成果の達成に向けて貢献すること」と言い換えることができます。

マネージャーの位置づけ

次に、「マネージャー」の位置づけについて触れます。皆さんもご存じの通り、マネージャーは、「一般社員や主任クラス」よりも上位職にあり、一定の組織・チームを率いる存在として位置づけられます。加えて、「経営トップ層(社長・役員)」よりも下位職として経営トップの意思を翻訳してチームに伝え、その実現のためにチームを機能させるという位置づけです。具体的には、課長・部長が該当します。

  • 「一般社員・主任クラス」と「経営トップ」の中間的な位置づけ
  • 具体的には、「課長・部長」が該当

マネージャーの4つの役割

(1)成果を生み出す

当然といえば当然のことですが、組織やチームには目標や目指すものが存在します。それをやり切れる(完遂できる)かどうかはマネージャーの手腕にかかっています。明確に数値目標がある場合はそれをクリアできているか、ということになりますし、数値目標がなくても与えられた任務を確実にこなし、成果を出せたか、ということは、一番わかりやすい最初のミッションになります。

そのためには、「目標やその達成にこだわる」「成果を見える化できる」などの要素が必要になってきます。

(2)生産性を高める

日本の労働生産性が世界的にも低いレベルだということは、よく知られている話ですが、冒頭にも触れたように、マネジメントは、「与えらえたアセットを活用して効率的・効果的」に成果を生み出すことです。当然、マネージャーにとって、その生産性を高めることは重要なミッションといえます。

そのためには、「ムダを排除する」「今までなかったやり方にチャレンジする」「変化を楽しむ」などの要素が必要になってきますね。

(3)いいチームを作る

「いいチーム」を作りたい!と思っているマネージャーは非常に多いと思います。でも、よく考えてみると、何がいいチームなのか?何がいい組織なのか?明確に答えがないまま、みんな悩んでいるように見受けられます。

「いいチーム」にはいくつかの要素が必要ですが、平たく言えば以下のような組織です。

  • みんなが同じ方向(目標)を向いており(ビジョンの統一)
  • そのために皆が意欲をもち、またお互いに協力しあい(意欲・相互支援)
  • いろんな意見を率直に言い合える(心理的安全)

特に昨今では「心理的安全」というものがクローズアップされていますが、パワハラ上司がひたすら怒鳴り続けるような職場ではこういった安全性は担保されませんし、トッププレーヤーが自分一人で仕事を回している(気になっている)殺伐とした職場では相互支援なんて生まれません。また、マネージャーがチームの目標を語れないような職場ではみんながバラバラになってしまいます。

(4)人を育てる

優秀なマネージャーにありがちですが、マネージャー自身の「個の力」で仕事を乗り切ろうと奮闘しているケースをよく見ます。いわゆる「プレイングマネージャー」と呼ばれる厄介な存在です。また、最近では「昔は一般社員がやってた仕事」を今では「課長や部長」がやっている(仕事が上位職に上がってきている)というケースをよく耳にします。どこの会社でも少なからずそういう傾向があるんだろうと感じています。

しかしながら、このようなやり方で短期的に一定の成果を出すことは可能かもしれませんが、こういうチームは2年後・3年後、うまく組織として機能しません。なぜならメンバーが育っていないからです。

大切なことは、「次世代のマネージャー候補」「次世代のメインプレーヤー」をどう作り出すか?ということで、そのためには、部下の能力開発の方向性や課題感を部下とともに探り、動機づけをすることしないといけません。加えて、「自分がやって見せる」ところに始まって、「やらせて見せる」「結果を賞賛する」ことを通じで部下の成長を見守ることをやらねばなりません。これは、かの山本五十六が同じことを言っているように、人を育てるためのオーソドックスな手法になります。

そのためには、「見守る力(我慢する力)」「部下と対話する力」「育成に関する強い思い」が必要になってきます。

マネージャーの関わり方

これまで、マネージャーの主だった役割についてみてきましたが、では「マネージャーはどのようにチームや社員とかかわるのか?」という悩みが出てきますよね。

誤解を恐れず一言でいえば、「ビジョンを語り、仕事はメンバーに任せ、常に感謝と賞賛を忘れず、しかるべき時に的確に判断・決断をする」ということです。上位職になればなるほど、このことは重要になります。「それじゃ仕事は回らないよ」という意見もあると思いますが、(チームが2~3人しかいないような危機的状況を除き)まあ、できない理由を並べている間は二流だ、ということでしょう。

このやり方には、我慢が必要です。資料ができない、仕事が回らずお客様に迷惑をかける、さまざまなことがあると思いますが、最後の最後、これ以上は会社としてリスクが発生するというところまでは我慢してみましょう。そうすれば、あなたも、メンバーも結果として少しずつ成長していることでしょう。

【まとめ】マネジメントは「マネージャーの色」が出る

マネジメントは、上記のように「マネージャーがどう振舞うか」に左右される、つまりマネージャーの色が出るものです。なので、世のマネージャーはもっともっとマネジメントというものを学ぶ必要があるということになりますし、そのために必要な資質やスキルといったものを磨く必要があります。

そのあたりは、ここでは語り切れないので別途記事にすることにします。

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