ビジネスの世界では必ずと言っていいほど重要視される「ロジカルシンキング」。
一般的に「彼はロジカルだ」「ロジックがしっかりしている」といった形で使われますが、そもそもロジカルシンキングとは何か?そしてその必要性と鍛え方について今回は学んでいきます。
ロジカルシンキングとは何か?
ロジカルシンキングとは、物事を「事象」「根拠」「仮説」「結論」に分け、その因果関係や論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法で、日本では「論理的思考法」・「論理的思考能力」と言います。
当然、物事を論理的に捉えながら話すことにより、聞き手にもわかりやすく伝えることができるだけでなく、問題解決においても原因特定や解決策の立案に非常に効果的な思考プロセスです。
一般的なビジネスシーンにおいては、筋道を立ててわかりやすく話をすると相互理解が深まり、効率的に仕事が進みます。一方で、支離滅裂に話をする人とは良好な関係を築くことさえも困難になるケースがあります。
ロジカルシンキング習得のメリット
ロジカルシンキングを身につけることのメリットは大きく2つあります。どちらもビジネススキルを大きく向上させ、周囲からの評価アップにつながります。
分析力・課題解決力が向上する
繰り返しですが、ロジカルシンキングは「物事の因果関係を論理的に分解」しながら考えていくものです。
よって、仕事で何か問題・課題があるというときに、それが「なぜ起きているか」の深堀をしたり、「仮説」に基づいて解決策を導き出す上では非常にフィットするスキルだと言えます。
自分の考えを相手に伝えやすくなる
物事を論理的に話せるということは、言いたいことを嚙み砕いてわかりやすく説明できるということです。
例えば、AとBは同じである。ということを相手に伝えたい場合、
- A=Cである。
- B=Cである。
- よって、A=Bである。
という単純なロジックを理解できない人はほとんどいません。
一方、「AとBはきっと同じなんだよ。」と何度熱意をもって言ってみたところで、そんないい加減な話は誰も信用しませんよね。
そう考えると、ロジカルに考え・話すということは、生きていく上での様々なシーンで極めて重要になってくるわけです。
ロジカルシンキングの手順
では、ここからは、具体的なロジカルシンキングの手順について触れていきます。
難しい記載でとっつきにくいサイトも多いですが、ここではすごくわかりやすい手順を具体的な話も交えながら考えます。
事実とデータを掴む
これはロジカルシンキングの基本中の基本です。
論理というものは「事実」がどうなのか?から始まるので、事実をとらえず「自分なりの解釈」だけでものを考えることは非常に危険です。なので、事実確認には「データの裏付け」を取ることが一般的です。
例えば以下のような例
- × あのコンビニの7月売り上げは、夏なので飲料が多いはず
- 〇 あのコンビニの7月売り上げは、POSデータによると食品が35%で一番多い
といった感じです。解釈でものを考えるとロクなことになりません。
ちなみに、解釈が多い方はよく「はず」を使います(笑)
なお、事実と解釈の違いについては、以下のページをご覧ください。
徹底的に「なぜ?」を考える
これもロジカルシンキングの基本メソッドです。「どうしてこうなったか」の因果関係をちゃんと掴まないと「仮説(もしかしたら・・・ではないか?)」に移れません。
また、面倒なことに、理由は当然一つではないし、理由はさらに「なぜ」を伴い、「根拠」が必要な場合もあります。
さらに、その中で「考えられうる理由は全部出たか?」を考えることも重要です。これを難しい言葉で言うと「MECE(ミーシー、漏れなくダブりなく)」と言います。
では、先ほどのコンビニの例で、食品が一番多い理由を「なぜ?」と考えると
- お弁当が例月よりたくさん売れているから
- コンビニのイメージCMを変えて集客が増えたから
- 女性の購入数が先月よりも増えたから などなど
といった表面上の理由がまず出てきます。
突っ込んで考えると、さらに「なぜ?」が出てくるし、「根拠」も必要になってきます。
- では、お弁当が増えたのはなぜ?
- では、女性の購入量が多いのはどの食品、またそれはなぜ?
- では、CMとの関係は?根拠は? などなど・・・
ここでも、前述の「事実とデータの把握」が必要です。また、これで理由が全てなのかどうか(MECE)についても考える必要があります。
こうやって物事の因果関係の解明を深めていくわけです。
仮説を立てる
こういう因果関係を紐解く中で、「仮説」を作っていきます。
例えば、上記のケースでいうと
- 〇〇〇があれば弁当の販売が増える
- 〇〇〇があれば女性集客数が増える
- CMに〇〇を出せば〇〇を購入数が増える
といった感じです。このあたりから少し雑になりますが・・・
結論を導きだして実行に移す
そして、最終的に上記の仮説に基づいて一つの結論を出していくわけです。
例えば、
「〇〇〇なエリアで、〇〇〇のようなCMを流せば〇〇の販売増および全体的な集客増につながる」
といった具合で、結論が出れば「では実行しよう、検証しよう。」となるわけです。
仮にこういった手順を踏まずに戦略を考えてみたらどうでしょう?
どこで、どうやれば、何が、どれくらい売れるのか、全く見当もつきませんよね。
まとめ
学問的・科学的なアプローチでロジカルシンキングを語れば、もっと多くの、かつ正確な内容を書けるのかもしれませんが、今回はそれを飛ばして、実用に近い、非常にわかりやすく記載をしました。
では、どうやったらこういうスキルが身につくのか?その訓練方法について次回は考えたいと思います。