昇進試験にあたって実施される重要なイベントに「人事や役員(経営幹部)による面談」があります。面談とはどれほど重要なものなのか?どうやって面談を乗り切ればいいのか?じっくり2回に分けて考えていきます。
昇進試験での「面談」の意味
昇進試験で面談を実施する一番の目的は、「マネージャーとしてふさわしい能力・人材かどうかを見極める」ことです。
以前も紹介しましたが、マネージャーには以下のとおり様々な役割や能力が求められます。
- 成果を生み出す :与えられたミッションを完遂する能力
- 生産性を高める :与えられたアセットの効率的・効果的な活用
- いいチームを作る :ビジョン×意欲・相互支援×心理的安全の担保
- 人を育てる :メンバーと対話を絶やさず見守り続ける
面談はまさに、こういったリーダーシップや育成能力、課題解決力など様々な能力がしっかり備わっているのか、本当にこの人に任せて大丈夫か?といったあたりをチェックする非常に重要なタイミングとなるわけです。
具体的な評価基準は何か?
昇進試験の面談においては、マネージャーとして適切な能力を持っているかどうかをチェックされますが、実際は「なりたい役職のレベル」に応じて求められる水準・基準は異なります。
主任クラス(サブマネージャー)
主任クラスは、経営を左右する判断を求められる立場にはありませんが、その分逆に、現場を課長の右腕としてリードし、その担当・課で果たすべき業務を率先して確実に進めていくことが求められます。よって、業務遂行スキル(テクニカル・スキル)もさることながら、チームの若頭として、数少ない自分の部下を含めた周辺をまとめていく対人関係スキル(ヒューマン・スキル)なども必要となってきます。
課長クラス
会社内の特定の組織を初めて任せられ、一定の権限や責任が発生する課長クラスは、主任よりもさらに高いスキルを求められます。自組織をしっかりとリーディングするだけでなく、より高い目線・広い視野をもって適正な判断・意思決定を行っていく力が必要とされます。昇進面談では業務遂行スキルというよりは、対人関係スキル(ヒューマン・スキル)や概念化スキル(コンセプチュアルスキル)備わっているかをチェックされることになります。
課長クラス(ハイランク)・部長クラス
課長の中でもハイランククラス、および部長クラスとなってくれば、より多くの組織・部門を束ねてより重要な判断・意思決定を実施する立場になってくることから、「マネージャー」というよりも「経営者」としての資質が一定レベルに達するかどうかが見られています。
「管理職」と「経営職」という形で使い分けをしている企業も多いと思います。
面談で何が聞かれるのか
それでは面談でどういったことが聞かれるのか?気になりますよね。
聞き方によって微妙にニュアンスは異なりますが、幹(みき)となる質問はいたってシンプルです。ほぼ以下の中で網羅されるものと考えていいとおもいます。
- 現在の業務における成果(会社・組織にどのような貢献をしたか)
- 現在の業務・所属する組織・会社全体における課題感(課題意識の広さ・深さ)
- 課題に対する対処や取り組みの方向性(コンセプチュアルスキルの深堀り)
- どのようなリーダー・マネージャーになりたいか(ビジョンの明確化)
- チーム作り・育成に対する考え方や現在の取り組み(ヒューマンスキルの深堀り)
- 自身の強み・弱みの把握、それを踏まえた今後の啓発ポイント(自己の客観視)
- 今後の自分自身のキャリアビジョン(Will Beの深堀り)
そして、このような内容の質疑に対して、
- 原則、「論理的(ロジカル)」に(なぜそう思うか?を意識して)
- 常に「高い目線」「広い視野」を意識して(Think Global)
- 一方で「現場で起きている実態」に目を向ける観点を忘れず(Act Local)
- 相手の頭に残りやすい「パワーワード」を使いながら
- 話に「抑揚」をつけ、「シンプルかつゆっくりと」話す
これだけです。これができれば面談はクリアできます。
いやいや、それが難しいんでしょ!という方も多いと思いますので、次の回でその中身を細かく紐解き、面談には「攻略法がある」ことをお伝えしたいと思います。