リアル!年収1,000万円でどんな生活ができるのか?

このブログでは、「いかに早く出世をするか」「出世をしていかに金銭的・時間的な余裕を生み出すか」をテーマにしています。

そんな中で今回は、日本では出世の一つの目安として言われる「年収1,000万円」について、どの程度金銭的な余裕があり、どんな生活ができるのか?を見ていきたいと思います。

サラリーマン全体の5%程度しかいない年収1000万円プレーヤーとはいえ、想像よりも現実は厳しいことをご理解いただけると思います。


まずは「手取り」を計算する

当たり前の話ですが、年収というものは「給与の額面」を指す言葉であって、実際に手元に残るお金ではありません。つまり重要なのは、年収ではなく「手取り(=可処分所得)」です。

家族構成や会社の福利厚生など、様々な違いがあることを理解したうえで、大胆な話をすると、

年収1000万=手取りで 700~750万程度

となり、およそ25%~30%は税金や社会保険等で取られることになります。

ということで、仮にここでは、多めに見積もって「手取り=750万になる前提で、以降のケースを見ていきたいと思います。

実際にかかるコストを考える

まずはモデルを決める

まずは最初に、どういうモデルを前提に所得の話をするかを決めておかないといけません。

ここでは、一例として以下のようなモデルを考えます。

  • 一般的な4人の核家族(奥さんは専業主婦、子供が二人)
  • 郊外のベッドタウンに一軒家またはマンションを住宅ローンで購入
  • 車も所有している想定
  • 年収は1000万(手取りで750万

毎月の平均支出を考える

次に、毎月の平均支出額を考えます。

総務省が出している統計データによると、一般的4人家族の毎月の平均支出額は、住宅費(家賃や住宅ローン)を除いて約29万円。年収900~1000万の家庭であれば、約35万円になります。

詳細は以下の通りですが、全年収の平均値と高収入の場合では、お小遣い以外はそれほど各項目で差が出ているわけではなさそうです。

年収・用途平均値年収
900~1000万円
食費86,804円91,518円
光熱水道20,550円19,886円
通信交通39,773円41,191円
日用被服24,416円27,168円
教育娯楽費29,266円33,016円
お小遣い51,064円88,634円
保険料24,684円27,766円
医療費14,800円17,381円
支出(生活費)合計291,357円346,560円


さらに、上記に含まれない住宅費について、

国土交通省データによると、住宅ローンの全国平均は約10万/月、大都市圏で約11万/月だそうです。

ただし、年収1000万円前後であれば、それなりのエリアにそれなりの価格のマンションや一軒家を購入していると思われます。加えて、ここにはマンションの管理費や一軒家での修繕費などが含まれていないことから、それらを全て考慮し、ここでは一旦、住宅費を約15万円/月としたいと思います。

ここまでの収支がどうなっているかを考えると

  • 収入 : 年収1000万、手取り750万
  • 支出 : 12か月×(住宅費15万/月+その他35万/月)=600万
  • 残額 : 150万

ということになります。

その他のコストを考える

さらにここで、上記コストの中に入りきらない(平均値だけでは議論できない)その他のコストについて触れておきたいと思います。

①まずは貯蓄(もしくは投資)

いくら何でも、毎年貯金ができないという状況は健全ではありません。とはいえ、残額が150万円しかない中なので、最低でも「50万/年間」程度を貯蓄(もしくは投資)に回すとしましょう。


②次に教育費

すでに上記のプランでも3万円くらいは見込まれていますが、子供二人の習い事だけでも軽く2~3万円はでていきます。

その上、塾だの私学だのと贅沢を言っていると、プラス2~3万(年間30万前後)くらいは平気で出ていくわけです。もっと言えば、私学の大学なんて、年間の学費は100万以上(8~9万/月)もかかります

結局、たった50万の貯蓄とそこそこの教育費で、手取りの750万は全てなくなります


③最後に一時費用

なかなか傾向がつかめないのが、この一時費用です。

車の買い替え、家族旅行、冠婚葬祭、家電の買い替え、家の修繕、私学の入学金、塾の夏期講習などなど、、、気を付けていても毎月何かしら一定の一時費用が出ていくことになります。

計算上、これらの一時費用は完全に手取りをオーバーし、わずかな貯蓄やお小遣いを削る要素となるわけです。冷蔵庫や洗濯機などを定期的に買い替えるわけにはいきませんし、車も頻繁に買い替えることは実際問題として不可能です。

私は、何も特別な話をしているわけではなくて、これがリアルだということを言いたいわけです。

年収1000万でできること

できることは多くない

以上からもわかる通り、4人家族の場合、年収1000万円でできることは、

  • そこそこの家と車を持ち
  • 子供にもそこそこの教育を受けさせ
  • わずかながらの貯金をする(年50万程度)
  • 大きな出費の回数は制限される

という感じです。大台といえどもあまり夢がありません。実は年収1000万円でさえ、毎年100万円の貯金をすることは結構大変なんです。老後に2000万円貯蓄するというのはかなりのハードルです。

何を足し、何を引くのか?

では、もう少し余裕を持ちたいと思ったときに、ここに何を足して、ここから何を引くのか?

  • 足すものは明確です。さらなる出世か、共働きもしくは副業収入です。
  • 引くものは様々です。家のグレードか、子供の教育か、お小遣いか。。。

年収1000万に満たない場合は?

どこで妥協するのか

年収1000万円でこれですから、満たない場合はより一層何かを我慢し、妥協することになります。

「子供の学歴と親の収入は一定比例する」という話がよくありますが、それは結局のところ、ここで最初に削減されるのが「教育費」だからです。これはものすごく残酷ですが、仕方ない話というか、これもまた事実ですね。

逆に教育を優先するなら、食費やお小遣いや住宅費などを切り詰めることになります。

結局は稼いだもの勝ち

そう考えると、結局のところは、「早期に出世して年収を上げる」ことに加えて「年収1000万で満足せず、1300~1500万以上もらえるまでさらに出世する」ことが大事になります

今はよくても、あなた自身が「出世だけが人生じゃない」と思っていても、結局すべては言い訳で、稼いだ場合と比べると何かを取りこぼしていることには違いないわけです。

そんなこともわからずに、「管理職になりたくない」という若者が後を絶ちませんが、家族や子供を持った時のコストをイメージできていないわけで、想像力の欠如というのは怖いものです。。。

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